日南市北郷町。総面積の9割近くが森林という自然あふれるこの町には、日本で最も開花の早い桜のひとつ「日南寒咲一号」や約一万本の桜が咲き誇る「花立公園」など桜の名所が数多くあり、社名の由来ともなっています。北郷町の山あいにある当蔵では、豊富な水量を誇る「猪八重渓谷」の伏流水を仕込み水に使用し、「無月」「赤魔王」をはじめとする焼酎・リキュール・スピリッツを展開しています。
かけた時間だけがつくりだすもの。
当蔵の誇る甕貯蔵庫には日本最大の約5,500基もの大甕があります。甕の外側には釉薬が塗られているものの、内側は素焼きになっています。
高温で焼成された甕から出る遠赤外線効果や甕内部の微細な孔による呼吸作用により焼酎の熟成が促進され、香りや味わいが深くまろやかになります。
──人がつくり、時が育てる。
蔵人達が精魂を込めて造り上げる本格焼酎に秘められた味わいを引き出せるのは、甕の作用と貯蔵庫の中で静かに流れる時間だけ。
今この瞬間も甕の中で焼酎原酒がゆっくりと熟成を進め、いつか訪れる出荷の時を待っています。
積み重ねた時間が、静かにほどける。
長期貯蔵熟成された焼酎を静かにグラスに注ぐと、固く締まった氷や適温になったお湯の中でその焼酎が重ねてきた時間までもが静かにとけだします。
「長期貯蔵」を謳う焼酎は最低でも三年、長いものは二十年以上の貯蔵熟成期間を経ています。
その焼酎が造られた時代の自分に思いを馳せ、カランと崩れる氷やお湯割りグラスの不思議なゆらめきを見つめながら、美味しい焼酎を楽しめる今日に心から感謝する。
蔵人達がこだわり抜いた当蔵の長期甕貯蔵熟成焼酎を、そんな人生の豊かな時間の脇役として傍に置いて頂ければこんなに嬉しいことはありません。
類まれなる対応力が、数多の銘柄を支える。
当蔵では、「無月」「赤魔王」シリーズを始めとする各ブランド以外にも、全国の流通各社、酒販店、飲食店に向けたPB(プライベートブランド)商品を多数展開しています。 その数は何と100アイテム以上。安定した品質の焼酎を大量に生産できる本工場のみならず、小規模での仕込みに対応できる手仕込み蔵「焼酎道場」、 そして日本最大の甕貯蔵庫で今日も静かに熟成が進む多種多様な原酒を活かした幅広い選択肢。 小回りの良さときめ細かな対応力が、お客様のご希望に沿ったオリジナル商品の提案を可能にしています。
杜氏紹介有田 忠司 Tadashi ARITA
櫻の郷酒造の立ち上げメンバーのひとり。熊本国税局酒類鑑評会において芋焼酎・麦焼酎の“優等賞”を同時受賞するなど製造技術のみならずブレンド技術も高く評価されており、「北郷の忠司 芋・麦」や「ARITAism」などその名を冠した焼酎も発売され人気を博す。新しい品種の芋を見つけるとすぐに取り寄せて仕込むほど研究心旺盛。2020年には熊本国税局酒類鑑評会にて「無月 白」が“宮崎県製造場代表”として選出された。
製造工程や商品のこだわりを実際に蔵でご案内します。
見学は無料ですので、ご希望の方はお電話もしくはメールにてご連絡ください。