──月出ずる酔いのくち。
古来より月を眺めながら酒を楽しむ事は最高の贅沢とされており、中国の古典にも酒を愛するものが「月」の「無」い夜でも綺麗な月を思いながら酒を楽しむ事を「無月」と記しています。

世界で愛される蒸留酒を目指して。

世界で愛される蒸留酒を目指して。

減圧蒸留100%の芋焼酎「爽 飫肥杉」の大ヒットにより井上酒造の経営再建に成功した寺田 徳男の次なる目標は「本格焼酎を、世界で認められ愛される蒸留酒にしたい。」という事でした。寺田はウイスキー、ブランデーなど世界的に飲まれている蒸留酒が貯蔵熟成を経て酒質を向上させている事に着目し、焼酎の貯蔵に関する研究を始めます。樽や甕壷での試験貯蔵を行いながら多くの専門家から話を聞く中で、「土の中で育ったさつま芋から造った焼酎を、土から造った甕の中で熟成させる。芋焼酎の貯蔵には素焼きの甕で貯蔵するのが最も理に適うだろう。」という結論に辿り着きました。

世界で愛される蒸留酒を目指して。

意志あるところに道は開ける。

意志あるところに道は開ける。

寺田は、北郷町で廃業を検討していた焼酎蔵「岩崎醸造合名会社」を買収すると「櫻の郷酒造合名会社」に改組し、思い描く甕貯蔵庫設立への足がかりとしました。寺田が望む大型の甕は既に国内では製造されておらず、理想の甕を追い求め何度も海外に足を運びました。海外の海千山千を相手に騙されたり不良品を掴まされたりしながらも、ついに信頼のおける製陶所を見つけ出し、何度も交渉を重ね辿り着いた理想の大甕。寺田は大量の甕を輸入しながら、出来上がった焼酎をただひたすら甕に封じ続けました。やがて集めた大甕は5,000基を超え日本最大の甕貯蔵庫となりました。

意志あるところに道は開ける。

進化を続ける「無月」の魅力。

進化を続ける「無月」の魅力。

「無月」は甕の中で三年以上にわたり長期貯蔵した焼酎を贅沢に全量使用して商品化されました。折しも焼酎ブームの真っ只中、「長期甕貯蔵の魅力を気軽に楽しんで欲しい。」と手頃な価格で発売した事もあり、そのまろやかで奥深い味わいはまたたく間に多くの焼酎ファンを虜にしました。
その後、黒麹で仕込みコクと深みを引き出した「無月 黒」や希少な赤芋”ときまさり”で仕込んだ「無月 赤」が加わり、さらにラインナップも充実。
近年では蔵人達自らが、造り上げた焼酎の中から最も自信を持って薦めたい原酒を選定し、ラベルデザインに至るまで全てを企画した”蔵人厳選”の限定品「むげつ まるみ」シリーズが発売以来大好評となり、年一回の発売時期には予約だけで完売する事がある程の人気シリーズとなりました。

進化を続ける「無月」の魅力。